2018年11月22日 8時28分


北朝鮮への制裁について、国連の安全保障理事会は、制裁によって人道援助に関する送金や税関の手続きが煩雑になっているなどとして、見直す余地があるという見解を示し、今後、北朝鮮への援助の拡大につながるか注目されます。

国連安保理では21日、北朝鮮に対する制裁の実施状況を報告する非公開の会合が開かれ、終了後、
安保理を代表してスウェーデンのスコーグ国連大使が声明を読み上げました。

この中でスコーグ大使は、北朝鮮の食料や医療の不足は深刻で、一義的には北朝鮮の政府が資金を投入
すべきだとしたうえで、「人道援助を制裁の例外と認定する手続きが煩雑で、援助団体から援助が遅れる一因だという懸念が示されている」として、手続きを簡素化する余地があるという見解を示しました。

具体的には北朝鮮に駐在する国連や各国の援助関係者に本国から資金や物資を送る際の銀行や税関での手続きを挙げています。

安保理では、アメリカが、北朝鮮への援助資金が核やミサイル開発に流用される可能性を否定できないとして例外の適用には慎重な姿勢を取っています。

しかし米朝の非核化協議が始まり、北朝鮮を取り巻く環境が変化する中で、中国やロシア、アフリカの
国々をはじめ、ヨーロッパ諸国でも人道援助の拡大に積極的な意見が増えています。

このため今回の声明を機に、制裁委員会が例外の認定手続きを見直して援助の拡大につながるのか注目されています。

NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181122/k10011719821000.html