北朝鮮が14日に弾道ミサイル1発を発射したことを受けて、国連の安全保障理事会は、日本時間の16日朝、発射を強く非難するとともに、各国に対し、安保理の制裁決議を完全に履行するよう求める報道機関向けの声明を発表しました。

北朝鮮は14日、北西部・ピョンアン(平安)北道のクソン(亀城)付近から弾道ミサイル1発を日本海に向けて発射し、日本政府は、ミサイルの高度が初めて2000キロを超えたと推定されるとしています。

これを受けて、国連の安全保障理事会は、15日(日本時間の16日午前8時前)、安保理決議の重大な違反だとして発射を厳しく非難する報道機関向けの声明を発表しました。

声明では、さらに、北朝鮮に影響力を持つ中国を含む安保理のメンバー国が北朝鮮に対する制裁の完全な実施を確約したとしたうえで、すべての国連加盟国に対しても、これまでよりも強い表現で制裁の実施を求めています。

国連安保理では16日(日本時間の17日朝)、緊急の会合を開く予定で、北朝鮮の挑発を阻止するための具体的な方策について協議が行われる見通しです。

安保理としては、この会合の前に声明を発表することで、一致したメッセージを強く打ち出す狙いがあるものと見られます。

岸田外相「明確なメッセージ歓迎」

岸田外務大臣は、閣議のあと記者団に対し、「北朝鮮による核・ミサイル開発は容認しないという国際社会の一致した姿勢を示すものだ。明確なメッセージを歓迎したい」と述べました。

そのうえで、岸田大臣は、日本時間の17日朝に開かれる緊急会合について、「各国と連携しながら、北朝鮮へ自制と累次の安保理決議の順守を求めていくという基本的な姿勢を、引き続きしっかり打ち出していかなければならず、アメリカ、韓国などとしっかりすりあわせを行いながら明確なメッセージを発するための具体的な措置を検討していきたい。国際社会が一致し、強い決意を持って、この問題に取り組んでいることを示せる形を模索していきたい」と述べました。

菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、「北朝鮮の核・ミサイル開発を容認しないという安保理の一致した姿勢を示したものだ。引き続き、米国、韓国と連携し、北朝鮮に対し、挑発的な行動の自制と安保理決議の厳格かつ全面的な履行を強く求めていく」と述べました。

そのうえで、菅官房長官は「日米韓の要請により、日本時間のあす、安保理緊急会合が開催される予定だ。会合の結果を予断することは差し控えたいが、発表された声明を基に、安保理としての結束を示していくことが大事だ」と述べました。

別所国連大使 北朝鮮への圧力強化で結束を期待

安保理が緊急の会合を開く前に声明を発表したことについて、日本の別所国連大使は「北朝鮮が再び安保理決議を破る形で挑発的な行動をしたことを、このまま認めるわけにはいかないという強い気持ちがあった」と説明しました。

そのうえで、緊急会合について、「どのような形で安保理がさらに圧力を示すことができるのか、各国にはいろいろな意見があるが、安保理が一致することが重要で、そうなることを期待している」と述べて、北朝鮮への圧力を強化することで安保理が結束することに期待を示しました。


人気ブログランキング