中国人民解放軍が学生の民主化運動を武力弾圧した1989年6月の天安門事件の被害者で、米国在住の民主活動家、方政氏(50)のインタビュー詳報は次の通り。

 中国では「6・4」(天安門事件)を記念する活動が弾圧されている。昨年の6月4日の前にはこんな出来事があった。

 四川省の青年4人が、「銘記 八酒六四」というラベルを貼った酒をネットで販売した。中国語の「酒」の発音は「九」と同じだ。事件を忘れてはならないとの意味を込めたのだが、4人は「国家政権転覆扇動」容疑で捕らえられ、今も拘束されたままだ。ほかにも、事件で犠牲になった学生の両親の世話をしてきた四川省の知人が、2年前に刑務所に入れられた。

 中国共産党の独裁政権は、どんな形であれ6・4に触れてほしくない、真相を覆い隠したいと思っているのだ。

 中国では6・4に関わりがある人物、例えば私の名前もインターネットの「敏感語」に指定され、検索ができなくなっている。「6月4日」という日付もそうで、検閲を逃れるために、5月35日と表現する人もいる。

 28年前に天安門広場に集まった私たち学生は、反汚職や報道の自由、高級官僚の資産公開などを求めていた。体制を変えようと思っていたわけではない。経済改革をした共産党が政治も改革もできると期待していた。

だが、私たちが求めたことは、今日になっても何ひとつ実現していない。腐敗はひどくなり、資産は公開されるどころか、高級官僚たちは資産を海外に移動させている。共産党への期待はなくなり、失望ばかりが増えている。

 言論弾圧のほか、教育や情報のコントロールにより、事件を知らない若い人が増えていることを懸念している。これは中国共産党との「記憶の戦争」だ。

 だから、6・4を公共の場での話題にしたい。話題になると関心を持つ人、事件を知る人が増える。6・4が全世界的な話題になれば、中国政府も封じ込めることはできない。

 この一環で、事件から30年の節目となる再来年に、6・4を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(記憶遺産)に申請しようと取り組んでいる。各国の民間のパワーを動員して、この運動を推し進めていきたい。
 

 ■方政(ほう・せい)氏 1966年生まれ。中国安徽省出身。北京体育学院卒。卒業直後の89年6月4日朝、天安門広場付近で背後から迫ってきた人民解放軍の戦車にひかれて両足を失い、車いす生活に。2009年渡米。米国の大学などで天安門事件について語るなど、中国の民主化や人権状況の改善を訴えている。

産経新聞
http://livedoor.blogcms.jp/blog/katasumisokuhou/article/edit

天安門事件を中国人に広げることが崩壊に繋がるのでしょうか?ネットやテレビの検閲を行っている施設、部隊を攻撃、破壊するだけで共産党支配が崩れる気がします。

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