7月30日、中国は軍創立90周年とかの軍事パレードを内蒙古自治区の朱日和訓練基地で挙行し、陸軍12000名、戦車600台、空軍機100機が参加した。最新鋭のステルス型ジャット戦争機「殲20」や空中空輸機も登場した。

 朱日和基地は1957年、中国が南モンゴルを侵略後、主として戦車の訓練基地として開発し、当時のソ連との軍事対決に備えた。
 しかし寒冷地の台地に位置するため半年は使えず、とくに冬場はマイナス43度を記録するほどの場所であり、97年にようやくハイテク兵器の実験場として活用を再開し、2003年には公開した。

 それまで朱日和基地は存在さえ秘密となっており、軍人の多くも場所さえ知らなかった。
 いまは下記グーグルサイトで詳細が判明している。
http://earthjp.net/mercury/1508120001.html

 習近平は迷彩服に身を包み、「首長」ではなく「主席」と呼ばせてご満悦、最新鋭のミサイルなどを並べて、その「威力」をしめしたうえ、「中国は世界一流の軍隊」と自画自賛した。

 1927年8月1日に意味を持たせたいらしい。
共産党創立史なるものが、そもそも出鱈目、辻褄合わせに過ぎないが、党を正当化するための改竄が多く、たとえば共産党第一回大会の展示は上海にあるが、革命後つくられた毛沢東神話に基づく。

 
人民解放軍のご先祖を、八一起義に求めるのも後知恵であり、江西省南昌でおきたゲリラの武装蜂起は失敗している。
それから90年たったからパレードをおこなうというのも、歴史が古いのです、と内外に誇示し、その支配の正統性を訴えたいのであろう。

▲軍事パレードをなぜ、内蒙古自治区の曠野で行ったのか。

 さて。今回の軍事パレードを北京を避けて、なぜ、内蒙古自治区の曠野で行ったのか。
 誰にも見られたくなかったからか?
 北京天安門広場前での閲兵が恒例行事だったが、北京以外でパレードがなされたのは、じつに三十六年ぶりであり、しかも外国メディアは呼ばず、写真は新華社の下げ渡しだった。

内蒙古での訓練理由は表面的に考えれば朱日和訓練基地は1000平方キロという宏大な敷地であり、ほかに大規模なパレードをやる場所がないからである。

 つぎに反中国派の大統領が誕生したモンゴルへの政治ショーとしての見せつけも含まれ、同時に内蒙古の地下に潜伏する南モンゴル独立運動の封じ込め、さらにはモスクワへの軍事力誇示であろう。

 しかし国際情勢を勘案すれば北朝鮮国境、あるいは吉林省や遼寧省でパレードを行ったほうが、政治的宣伝としても適切であり、米国に対しても効果的であるのに、東北三省を避け、ひたすら内蒙古高原でのパレードを演出して、習近平は軍を掌握した象徴的行事と位置づけることに懸命となった。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
http://melma.com/backnumber_45206_6563591/

対モンゴル、ロシアということは考えませんでした。言われてみれば牽制する必要はありますね。東北3省でしたくても出来ない理由があると思いますよ。北部戦区内の旧遼寧軍区の面々がそれを許さないとか。

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