北東欧州
 よく「フィンランド化」と言われた。外交主権が抑制され、敵性国家の顔色をみることをフィンランダイゼーホンと譬喩した。最初に使ったのはブランド独首相だ。
隣のスエーデンは「ストックホルム症候群」の震源地。敵に同調し、敵の許可をえて行動しようとするうち、敵に共鳴する現象をいう。

 ロシアはデンマークの目の前、ポーランドとの間に飛び地カリニングラードを抱えるが、ここにイスカンダルミサイル(射程500キロ)を配備した。このためNATOはバルト三国に4200名の部隊を、ポーランドに4000名の部隊を送り、緊張を和らげようとしている。

 ところがフィンランドはNATO加盟国ではない。そのくせユーロ加盟。バルト三国もユーロ加盟。しかしほかの北欧三ヶ国(デンマーク、ノルウェイ、スエーデン)はユーロに入っていない。ポーランドも独自通貨という、ややこしくも輻輳した関係となる。

 
ノルウェイはイスカンダルミサイルの射程からはずれた基地にF35を配備した。このステルス戦闘機の攻撃型を53機、米国から購入し、ノルウェイ空軍の主力戦闘機とする。
 小型核兵器を搭載できるため、ロシア領内の基地を攻撃できる能力をもつことになる。米国、もしくはNATOがノルウェイ空軍の小型格を供与することは核拡散防止条約に違反するので、ロシアは、このポイントに留意しているという。

 ノルウェイには米軍海兵隊が駐屯しており、またNATO軍事訓練には長距離爆撃機も参加した。同国は北側が北極海に面し、ロシアと国境を接しており、現在NATO軍のレーダー基地も建設中である。
 
スエーデンは国民皆兵の徴兵制に復帰しだが、近年さらに防衛力を高め、ゴットランドの軍駐留を増やした。
九月には「オーロラ2017」というNATOの大規模な軍事演習を全土で繰り広げることが決まっており、米軍から1435名、フィンランドから270名、フランスから120名のほかデンマーク、ノルウェイ、リトアニア、エストニアから各40−60名が参加し、対ロシア戦争の備えとする。

1989年の東西冷戦終結以後、ヨーロッパに訪れた楽天主義的な軍縮、緊張緩和の環境は激変し、ロシアの強大な軍事力を目の前にして、ふたたび軍事力増強という流れに変わっている。

このため勢力均衡、遠交近攻のバランス感覚がつよく作用し、スカンジナビア半島諸国は、ロシアの背後にある中国との関係を強める方向となる。

宮崎正弘の国際ニュース・早読み
http://melma.com/backnumber_45206_6564758/

北欧、バルト三国とロシアの緊張も高まりつつあります。東アジアほどでは無いですが

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