プーチン

ロシアとイラク、17年ぶりに航路を再開
  イラク、急速にクレムリンとの関係改善へ
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 イラク戦争前までロシアのイラクにおける影響力は大きなものがあった。
 イラクは180億ドルの債務をロシアに背負い、さらに武器の供給を望んでいた。輸出品は石油である。

 イラク戦争直後からロシアは石油施設などから引き上げを開始し、プーチンはイラク問題での発言を控えた。
 シリアにISが登場し、その主力部隊はチェチェンの凶暴な武装集団。ここにサダムのスンニ派の軍人らが合流し、イラク北部で次々と勢力圏を拡大した。
やがてISが占拠したイラク北部のモスルをイラク政府軍が奪回したが、米国の軍事支援に加えて、ロシアが情報を提供した。
ISに関してはイスラエル、トルコと並んでロシアが精度の高い情報を握っていた。

 
 モスル奪回後、2017年7月25日にマリキ(イラク副大統領)がロシアを訪問し、サンクトペテルブルグの「プーチン宮殿」でプーチン大統領と面談した。両国の総合的な協力関係の前進が謳われ、T90戦車など10億ドルの武器供与が討議された。

 マリキは前日にモスクワで議会指導者らとも面談し、歓迎された。ロシアは中東で失った影響圏の回復を目指しているからである。
 17年ぶりの航路再開には、このような背景があった。再開一番機は9月17日にバグダッドからモスクワへ向かった。

 こうしてロシアはISを指導する武装グループのチェチェンに対して、敵意を剥き出しに、シリアばかりか、ウクライナでも派手な謀略を展開し始めた。

とくにウクライナで活動するロシア人、チェチェンの指導者、有力なジャーナリスト、政治家の暗殺作戦を実行している。

 9月8日にはキエフでチェチェンの指導者が、白昼に公道を走行中、爆殺された。同乗していた夫人と子供が重傷をおった。
 このような暗殺事件はウクライナの各地で行われており、狙撃、毒、爆殺など、嘗てKGBの得意とした手口で、反ロシアを鮮明にしているジャーナリスト、政治活動家などが狙われている。

宮崎正弘の国際ニュース・早読み
http://melma.com/backnumber_45206_6584828/

ISにチェチェンの武装集団が絡んでいたのは知りませんでしたね。でもそれにかこつけて、反対勢力の暗殺を謀るのはロシアらしいです。

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