
トランプ米大統領は12日、ハノイでベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席と会談した。トランプ氏は会談の冒頭、南シナ海の領有権問題に関し、「もし私が仲介や仲裁で手助けできるのなら知らせてほしい」と述べ、中国とベトナムの仲立ち役を務めることに前向きの意向を示した。
ベトナムと中国はスプラトリー(中国名・南沙)、パラセル(西沙)両諸島の領有権を争っている。歴代米政権は、領有権紛争に関与しない原則を掲げる一方、中国が実効支配する人工島の軍事拠点化には反対し、周辺海域に米軍艦船を通過させる「航行の自由」作戦を実施してきた。
トランプ氏は、「私は良い仲介人であり仲裁人だ」と強調。これに対しクアン氏は会談後の共同記者会見で「平和的な交渉を通じ、国際法に基づく外交的・法的手続きによって問題を解決するというのがわれわれの政策だ」と述べ、法の支配の原則を曲げるような取引による決着には否定的な立場を示した。
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