1: 右大臣・大ちゃん之弼 ★ Let it be です 2021/06/30(水) 19:45:21.91 ID:CAP_USER
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HISAKO KAWASAKI-NEWSWEEK JAPAN

<書籍や雑誌、テレビ番組の字幕で「中国人名の現地読み(中国語読み)」がよく使われている。リベラル派による配慮なのかもしれないが、できればやめてもらいたい>

最近、散歩中のご近所さんに会って長々と立ち話をしていた際に、少々困ったことがあった。

浅田次郎の中国歴史小説が話題に上ったのだが、彼女がどの登場人物のことを話しているのか、さっぱり分からなかったのだ。


「ヅチンチヨンに攻め込んだリイヅチヨンが......」

何度か聞き返して、ようやく「紫禁城に攻め込んだ李自成(明朝を亡ぼした農民反乱軍の指導者)」のことだと分かった。

日本の書籍や雑誌、テレビ番組の字幕で「中国人名の現地読み(中国語読み)」がよく使われている。ニューズウィーク日本版でも例えば、習近平に「シー・チンピン」とルビが振られているが、あれである。

日本の中国歴史小説が大好きな私は、これまで井上靖や水上勉、陳舜臣らの作品を数多く読んできたが、ひと昔前なら人名に日本語読みのルビを付けていた歴史小説にも、いつしか中国語読みが散見されるようになった。

ところが、この現地読み、在日中国人にとっては悩みの種だ。片仮名の表記を読んでも中国語の漢字を連想することが難しく、また日本人がそれを口にしても、何を指しているか分からないのである。

漢字にルビならまだいい。先日出演したテレビ番組では「第2のファン・ビンビン騒動」が取り上げられたが、字幕やスタジオの解説ボードに書かれた名前は片仮名のみ。漢字は一切使われなかった。

ご存じない方のために説明すると、中国で現在、ジェン・シュアンという女優に巨額脱税疑惑がかけられており、それが3年前にあった女優ファン・ビンビンの脱税事件とそっくりなのだ。

鄭爽(ジェン・シュアン)と范冰冰(ファン・ビンビン)。2人とも超の付く有名人で、在日中国人たちも漢字を見ればすぐにピンとくる。ところが片仮名だけだと、頭の中が「?」で埋め尽くされてしまう。

この事件はネットニュースでも片仮名だけの表記が多く、「人名表記が意味不明」だと中国人の間で話題になった。

片仮名のように音をそのまま表現する表音文字を持たない中国人は、日本人の名前の漢字を中国語で発音する。

逆もしかりで、母音も子音も少ない日本語で中国語の音を表現するのは至難の業だ。実際、中国人がパッと聞いて分かる片仮名表記はほとんどないだろう。

最初に採用されたのは、2002年の朝日新聞の記事だった

相手に伝わらないのであれば、何の意味もない。しかもこの片仮名表記、各社で統一されているわけでもない。

シー・チンピンもいれば、シー・ジンピンもいる。これでは、ただでさえ分かりにくい中国人の人名表記がさらに分かりにくくなる。

聞くところによれば、中国人名の現地読み表記が最初に採用されたのは、2002年の朝日新聞の記事。それがその後、20年近い歳月をかけ徐々に広まってきたようだ。

私の知る限り、保守派論客の櫻井よしこ氏の著書では「シー・チンピン」といったルビは振られていない。それを考えると、普及の背景にリベラル派による善意の配慮のようなものがあるのかもしれない。

とはいえ、中国では日本人の名前を中国語読みしているし、日本側に「中国語に近い読み方に変えてくれ」といった要請もしていない。

第一、私たちには漢字という共通の文字があるのだ。片仮名読みは相手が聞き取れなければ終わりだが、漢字なら筆談で伝えられる。

つまり相互主義の観点から言っても、利便性から言っても、やはり中国人名の表記は漢字+日本語読みがベストなのだ。習近平は「しゅう・きんぺい」、そして范冰冰(日本の漢字では範氷氷)なら「はん・ひょうひょう」と......。

はん・ひょうひょう? うーん、ちょっと違和感があるかも?

在日中国人にはなかなか頭の痛い中国人名の表記。日本の皆さんはどう思われますか?

Newsweek 2021年06月30日(水)15時20分 周 来友(しゅう・らいゆう)
https://www.newsweekjapan.jp/tokyoeye/2021/06/post-73.php

【【日本の皆さん】習近平は「シー・チンピン」でなく「しゅう・きんぺい」でお願いします】の続きを読む