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韓国の進歩系最大野党「共に民主党」は27日、6月3日投開票の大統領選公認候補に李在明（イジェミョン）前代表（61）を選出した。次期大統領の最有力候補とみられている李氏が、89・77％の支持を集め、党内予備選では過去最高の得票率だった。

　予備選は、党員投票と世論調査の結果を50％ずつ合算する形で実施された。李氏以外の得票率は金東兗（キムドンヨン）・京畿道（キョンギド）知事が6・87％、金慶洙（キムギョンス）前慶尚南道知事が3・36％。李氏が過半数を得たため、上位2人による決選投票は行われなかった。

　李氏は選出後の演説で「傲慢と私欲で国を壊し、国民を苦痛の中に追い込んだ」と述べ、尹錫悦（ユンソンニョル）前大統領による戒厳令宣布を厳しく批判。「必ず勝利して政権を奪回する。希望と情熱があふれる本当の大韓民国をつくる」と訴えた。

　李氏は、苦学しながら弁護士になり、ソウル郊外の京畿道城南（ソンナム）市長や京畿道知事を務めた。歯に衣（きぬ）着せぬ発言で注目を集め、2022年の前回大統領選でも共に民主党の候補として出馬。尹氏との事実上の一騎打ちは得票率0・73ポイント差で敗れたが、韓国大統領選において史上最も僅差の大接戦だった。

　その後、党代表に就任。人事を刷新するなどして党内基盤を固め、現在は圧倒的な支配力を持つ。都市開発事業を巡る背任事件などで在宅起訴され、100万ウォン（約10万円）の罰金刑以上が確定すれば被選挙権を失う「司法リスク」を抱えていたが、3月下旬に、公職選挙法違反罪で在宅起訴された事件の控訴審で無罪が言い渡され、追い風が吹いた。世論調査会社「韓国ギャラップ」が25日に発表した調査では、与野党候補の中で最多の38％の支持を獲得。他候補は1桁台で、李氏が独走している。

　一方、保守系与党「国民の力」は5月3日の党大会で候補者指名を行う。金文洙前雇用労働相（73）▽韓東勲前党代表（52）▽洪準杓前大邱市長（71）▽安哲秀国会議員（63）――の4人の中から、29日までに党員投票と世論調査を50％ずつの割合で合算し、2人に絞る。